人間関係【子育て】
人間がもって生まれたものを、自然に出せるようにしてあげる
親たちは、うつ病になったり、引きこもったりしているわが子を見て、その子にとっての問題だと思っている方がいますが、まずはほとんどが親の問題、そして、さらにその親の問題、つまり遣伝の問題なんです。
ところが、ほとんどの親たちは、そのことに気づいていません。だから、親も先生も誰も解決策が見当たらないんです。
花が自然と咲くのは、神の意志に沿うということ。 それと同じですよ。
人間がもって生まれたものを、自然に出せるようにしてあげる。それを本人が気づかなかったら、気づかせてあげる。
導いてあげる。
手助けしてあげる。
後ろからそっと押してあげる。
これこそが本当の教育です。
いま、ほとんどの親たちが、そのやり方がわからないでいます
わからないから、せっせと上から被せるやり方ばかりしている。
「あなたはこうしなさい」、「こうならなきゃダメ」というように、親たちが子どもに強要している。 そうやって上から被せられると、子どもたちは折角伸びようとしても、それ以上は伸びようがないんですね。
枠から伸びないだけならまだしも、今度は逆に縮んでしまう子どもたちがいるんです。 それがうつ病だったり、引きこもりになったりする。
元気のいい子どもは、その枠の中にいるのが嫌になって、表に出て爆発します。それが不良です。 だから、不良というのはまだ元気があるだけいいんですよ。
それで、じつは親が救われているんです。 そのことを親がわかっていませんけど……。 だって、家から出られない子どもより、そのほうが親ははるかに楽でしょう。
子育てにとっての太陽とは、両親の夫婦仲がよいということです
子育ての基本を、花を咲かせることになぞらえると、ちょうどこんなふうになるでしょう。
花をきれいに咲かせるためには、太陽と、土と、水と、肥料が必要です。 まず、子育てにとっての太陽とは、両親の夫婦仲がよいということです。 これが最高のエネルギーになります。
そして、土は先祖です。 先祖を大切にすれば、土壌は豊かになります。
水とは、親が自然にふるまうことです。
包み隠さず、何でも話し合えること、嘘をつかないことです。
仲のよいふりをするんじゃなくて、正直になるということです。
だから、ときには家族会議をして、お互いに話し合うのがいいでしょう。
そうすれば、きれいな水を与えることになります。
子どもたちは、その太陽の光の中で自由に飛びまわることができます
最後に、肥料とは、褒めてあげるということです。
たとえ失敗しても、失敗のメリットをちゃんと教えてあげて、褒めてあげることです。
これだけのことをやれば、後は放っておいても、子どもは立派に育ちます。
基本的にこういう問題を解決できるのは、全部愛しかないんです。
ただし、愛にも執着の愛と放つ愛があります。ここで必要なのは放つ愛です。
執着の愛というのは、「この子は、私の子どもなんだから」と、自分のほうに取り込もうとする愛のことです。 放つ愛というのは、太陽のようにパアーッと与えているだけの愛です。
そうすると、子どもたちは、その太陽の光の中で自由に飛びまわることができますよね。
そういう姿が一番理想なんです。出典:「あなたの悩みは一瞬で消せる」佐藤康行